
こんにちは。地域経営パートナーズの宮谷です。
2025年7月2日より、令和7年度農村漁村振興交付金の第2次公募がはじまりました。
農山漁村振興交付金は、最大1億円の補助を受けられる大型補助金です。
この記事では、農山漁村振興交付金の概要やその種類(地域活性型、農泊推進型、農福連携型)、メリット・デメリットなどをお伝えします。
農林水産物や農林水産業に関わる多様な地域資源を活用し、付加価値を創出することによって、農山漁村における所得の向上と雇用機会の確保を図る取組等を支援する補助金です。
補助金には、以下の3種類があります。
- 地域活性化型
- 農泊推進型
- 農福連携型
地域活性化型とは
農⼭漁村の⾃⽴及び維持発展に向けて、地域住⺠が⽣き⽣きと暮らしていける環境の創出を⾏うためのきっかけをつくり、農⼭漁村について広く知ってもらうための支援を行う形態です。地域活性型には、以下の3種類があります。
活動計画策定事業【対象者:地域協議会】
- ①地域活性化に向けて、アドバイザーを活用したワークショップ等を通じた地域の活動計画策定や、②活動計画に掲げられた取組を実施するための体制構築、実証活動及び専⾨的スキルの活⽤等を⽀援
- 事業期間:3年間(交付期間:2年間)
- 交付率:定額(上限:1年⽬500万円、2年⽬250万円等)
農⼭漁村関わり創出事業【対象者:民間企業等】
- ①農⼭漁村に興味がある多様な⼈材が関わることができる仕組みを構築する取組や、②農⼭漁村の地域づくりを担う⼈材(農村プロデューサー)の育成等を⽀援
- 事業期間:上限2年間等
- 交付率:定額(上限︓6,000万円/年かつ2か年8,500万円※等)
※①の農⼭漁村体験研修の実施の場合。
農⼭漁村情報発信事業【対象者:民間企業等】
- 地域の活性化や所得向上に取り組んでいる優良な事例の普遍化や、農業遺産等の歴史的・⽂化的背景、景観等を含む農業・農村の有する多様な価値に係る理解醸成のための情報発信の取組を⽀援
- 事業期間:1年間
- 交付率:定額
農泊推進型とは
農泊をビジネスとして実施するための実施体制の構築、地域資源を魅力ある観光コンテンツとして磨き上げるほか、専門家の活用や単価の引上げ等の高付加価値化を目指す新たな取組における経営強化及び農泊施設の整備等に向けた取組を支援する形態です。農泊推進型には、以下6種類があります。
農泊推進事業(農泊地域創出タイプ)【対象者:地域協議会等】
- 農泊に新たに取り組む地域を⽀援(ソフト事業)
- 事業期間:2年間
- 交付率:定額(上限500万円/年)
農泊推進事業(農泊地域経営強化タイプ)【対象者:地域協議会等】
- 過去に農泊推進事業を実施した地域において、単価の引き上げ等の⾼付加価値化を⽬指す新たな取組を⽀援(ソフト事業)
- 事業期間:2年間
- 交付率:定額(上限250万円(年基準額)×事業期間)
⼈材活⽤事業【対象者:地域協議会等】
- 新たな取組に必要な⼈材確保等を⽀援(ソフト事業)
- 事業期間:2年間
- 交付率:定額(研修⽣タイプの場合は上限250万円、専⾨家タイプの場合は上限650万円)
市町村・中核法人実施型【対象者:中核法人等】
- 農泊の推進に必要な古⺠家等を活⽤した滞在施設、⼀棟貸し施設、体験・交流施設等の整備を⽀援(ハード事業)
- 事業期間:2年間
- 交付率:1/2(上限2,500万円/事業期間※)
※遊休資産の改修:上限5,000万円、市町村所有の遊休資産を宿泊施設として改修:上限1億円
※地域の防災計画等と連携した避難所等として農泊施設を活⽤する場合、上限200万円を加算
農家民泊経営者等実施型【対象者:中核法人等】
- 農家⺠泊等における⼩規模な改修を⽀援(ハード事業)
- 事業期間:2年間
- 交付率:1/2(上限1,000万円/経営者かつ5,000万円/地域※)
※農家⺠宿へ転換する場合は上限100万円を加算
※地域の防災計画等と連携した避難所等として農泊施設を活⽤する場合、上限200万円/経営者かつ1,000万円/地域を加算
広域ネットワーク推進事業【対象者:民間企業等】
- 戦略的な国内外へのプロモーション、課題を抱える地域への専⾨家派遣・指導、ニーズ調査等を⽀援(ソフト事業)
- 事業期間:1年間
- 交付率:定額
農福連携型とは
農業と福祉が連携し、障害者その他の社会生活上支援を必要とする者
の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者等の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組を支援する形態です。農泊推進型には、以下の3種類があります。
農福連携支援事業【対象者:農業法人、社会福祉法人、民間企業等】
- 障害者等の農林水産業に関する技術の習得、作業工程のマニュアル化、ユニバーサル農園の開設、移動式トイレの導入、農福連携を地域で広げるための取組を支援
- 事業期間:2年間
- 交付率:定額(上限:150万円/年、経営支援又は地域協議会の設立及び体制整備300万円/年、作業マニュアルの作成等に取り組む場合は初年度の額に40万円加算可能)
普及啓発・専門人材育成推進対策事業【対象者:民間企業・都道府県等】
- 農福連携の全国的な横展開に向けた取組、農福連携の定着に向けた専門人材の育成等を支援
- 事業期間:1年間
- 交付率:定額(上限500万円等)
整備事業【対象者:農業法人、社会福祉法人、民間企業等】
- 障害者等が作業に携わる生産施設、ユニバーサル農園施設、安全・衛生面に係る附帯施設等の整備を支援
- 事業期間:2年間
- 交付率:1/2(上限:簡易整備200万円、高度経営1,000万円、経営支援2,500万円、介護・機能維持400万円)
農山漁村振興交付金のメリット
農山漁村振興交付金のメリットは、以下のとおりです。
- 交付率が高い
- 農山漁村振興交付金は、交付率が「定額」(全額補助金で交付)のものが多く、事業者の持ち出しなしで補助を受けることが可能となっています。
- ハード事業にも使える
- 農山漁村振興交付金のうち、農泊推進型の「市町村・中核法人実施型」・「農家民泊経営者等実施型」、農福連携型の「整備事業」は、建物等のハード事業に対して補助を受けることが可能となっています。
農山漁村振興交付金のデメリット
農山漁村振興交付金のデメリットは、以下のとおりです。
- 対象地域が限定されている
- 農山漁村振興交付金の対象地域は、特定農山村地域や振興山村等となっており、同じ市町村内であっても、対象地域が限定されていることがあります。
- 地域協議会等の組織作りが必要
- 農山漁村振興交付金の対象者は、地域協議会等であることが多く、単独事業者で行うことができるものはほとんどありません。そのため、申請前に地域協議会等の組織作りが必要となります。
まとめ
ここまで、農山漁村振興交付金の概要やその種類(地域活性型、農泊推進型、農福連携型)、メリット・デメリットなどをお伝えしてきました。
農山漁村における所得の向上と雇用機会の確保は喫緊の課題です。
農山漁村振興交付金を上手に活用して、地域活性化に結び付けていただければと思います。
(参考URL)https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/nousin/250702_301-1.html
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